自社サイトのGA4に、初めて「chatgpt.com」からの流入が記録されました。セッション数はまだ2件。それでも「AI検索が現実になった」と感じた一件です。Search Consoleの表示回数の変化とあわせて、実データから見えたAI検索時代の変化を整理しました。
「AI検索はまだ先の話。」──少し前まで、私もそう思っていました。ところが先日、GA4を確認していると見慣れない参照元が並んでいました。chatgpt.com / ai-assistant。ChatGPTから、実際にサイトへアクセスが発生していたのです。
セッション数はまだ2件。数字だけ見れば小さいかもしれません。それでも私にとっては、「AI検索が現実になった」と感じた出来事でした。この記事では、自社のGA4とSearch Consoleに実際に現れた変化と、そこから見えたAI検索時代の入口の話を整理します。

いつものようにGA4の集客レポートを開いた、ある平日の夜でした。参照元別のセッションを眺めていると、これまで見たことのない行が目に入りました。
参照元 / メディア セッション
chatgpt.com / ai-assistant 2たったの2セッション。それでも、この行にはこれまでにない意味がありました。「Google検索経由でもなく、SNS経由でもなく、ChatGPTの中の何かをきっかけに、誰かがこのサイトまで辿り着いた」という事実が、初めて数字として現れたからです。
これまでも、「そのうちAI検索から流入が来るんだろうな」とは思っていました。ただ、それはあくまで頭の中の話でした。実際に自分のGA4にその参照元が並んだ瞬間、頭の中の予想が、目の前の現実に変わりました。

GA4で気になったので、Search Consoleも見てみました。すると、こちらでも小さな変化が起きていました。特に伸びていたのは、次のような検索クエリです。
AI検索エンジンが引用するサイトの特徴は?
表示回数
4 → 10数字としては、ほんのわずかな変化です。ただ、これはユーザーの検索の仕方がじわじわと変わっていることを示しているようにも見えます。「一言で答えを教えてほしい」というAI向けの問いが、Googleの検索窓にも現れ始めているという状況です。
同じタイミングで、AIOやAI検索に関連する記事の表示回数も、少しずつ上がってきていました。もちろん、Google検索からの流入自体はこれまで通り続いています。つまり、「AI検索がGoogle検索を置き換えている」というよりは、「新しい流入経路が上に積み重なってきている」というのが、いま起きている変化に近い感覚です。

今回、少しだけ考察してみたい点があります。「AI検索向けの記事を書いたからChatGPTから流入が来た」というほど、単純な話ではなさそう、ということです。
正直に言えば、今回流入があった記事は、「AI検索狙い!」と気合いを入れて書いたわけではありません。むしろ、いつも通りのトーンで、いつも通りの構成で、いつも通りに書いた記事でした。にもかかわらずChatGPT経由の流入が発生した理由として、次のようなことが起きていた可能性があります。
記事の中で、質問と結論がはっきり分かれていた
見出しが、そのまま質問文としても成立していた
具体例や数字が、要約しやすい粒度で並んでいた
独自の一次情報(自社事例・実データ)が入っていた
つまり、「SEOとして書いた記事」というよりは、「AIが答えを組み立てるときに、部品として使いやすい記事」になっていたのかもしれません。これからは、「検索エンジンに向けて書く」だけでなく、「AIに読まれることを想定して書く」という視点が、少しずつ大事になっていきそうです。

ここで一度、冷静な話もしておきます。ChatGPTから2セッション来ただけで、「AI検索時代が本格化した!」と結論づけるのは、さすがに気が早いです。母数は本当に少なく、今後どのくらい安定して流入が続くのかも、まだ分かりません。
それでも、この出来事には価値があると感じています。
ゼロだったものが、実際に発生したという事実
これまでは想像していた変化が、自分たちのGA4に現れたという事実
この2つは、数字の大きさとは別の意味を持ちます。「ある日突然、大きな波がやってきた」というより、「これから少しずつ大きくなっていく波の、最初の一滴が見えた」という感覚に近いのかもしれません。
今回の一件をきっかけに、これからGA4で追いたい項目も少し増えました。
ChatGPT経由の流入セッション数
Gemini経由の流入
Perplexity経由の流入
Copilot経由の流入
AI Overview経由と思われる流入
AI経由と直接流入それぞれの平均エンゲージメント時間
AI経由の流入からのCV率
これまで多くのWeb担当者にとって、GA4で最初に確認する場所は「Google / organic」でした。ここが伸びていれば安心、ここが落ちれば要因分析、というのが日常のリズムだったと思います。
ただ、これからは「Google / organic」だけを見ていても、サイトの本当の状態は掴みにくくなっていきそうです。ひとつの検索エンジンだけではなく、複数のAI検索・従来検索・SNSなどを横断して、どこから、どんな読者が、どんな読み方で来ているのかを見ていく必要が出てきそうです。

今回の一件を通して、Web担当者としては次のような点を意識しておきたいと感じました。
ChatGPTやGeminiなどの参照元を、GA4のブックマーク条件やダッシュボードに事前に登録しておく
AI経由と、通常の検索経由の行動の違い(滞在時間・回遊率・CV率)を分けて見る
記事や商品ページの中に、「質問→結論→根拠→具体例」というAIが要約しやすい構造を意識して差し込む
独自データ、独自事例、自社の声など、他サイトが持っていない情報を1本の記事に必ず1つ入れる
サイト全体で、Author情報や更新履歴など「信頼できる出典であること」を、AIにも人にも見えるようにしておく
派手なリニューアルというよりは、「AIから見ても、人から見ても、読みやすいサイトかどうか」を、ひとつひとつの記事レベルで丁寧に整えていく作業になりそうです。
数年前までは、「サイトへの流入=Google検索から来る」というのが、ほぼ当たり前でした。これからは、
Google検索
ChatGPT
Gemini
Claude
Perplexity
AI Overview
など、複数の入口からWebサイトへ人が訪れる時代になっていきそうです。だからこそ、検索順位だけを追いかけるのではなく、「AIにも理解され、人にも読みやすいサイト設計」がこれまで以上に大事になっていきそうです。
そして、その変化はいきなり大波として来るのではなく、今回のように「ある日、GA4に見慣れない参照元がぽつんと現れる」というかたちで、少しずつ始まっていくのかもしれません。

ChatGPTから2セッション。数字だけ見れば、飲み会の話題にもならないくらい小さな出来事です。それでも、GA4に「chatgpt.com / ai-assistant」の行が並んだ瞬間、これまで頭の中でしか考えていなかった「AI検索時代」が、初めて自分たちのサイトの数字として立ち上がってきた感覚がありました。
数年後、この2セッションを「あの頃はまだそんな時代だったよね」と振り返る日が来るとしても、その最初の1滴として、今回の一件は記録に残しておきたいと思いました。
AI検索の時代は、大波ではなく最初の一滴として、静かにGA4に姿を見せはじめている。これが、自社サイトを観測してわかった、いちばん確かな手応えでした。
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