Figmaより文章を書く時間のほうが長い|AI時代、Webデザイナーの仕事はこう変わった
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Figmaより文章を書く時間のほうが長い|AI時代、Webデザイナーの仕事はこう変わった

2026.05.26

AI時代、Webデザイナーの業務は劇的に変化しました。ビジュアル制作よりも文章作成やプロンプト設計に時間を費やすようになり、UXライティングやコンテンツ戦略が重要スキルに。データドリブンな改善と戦略的思考で価値を生み出す、新しいデザイナー像を解説します。

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昔の私は、毎日Figmaを開いていました。

レイアウトを考えて、画像を作って、余白を調整して、コーディングする。Webデザイナーの仕事の中心は、間違いなく「デザイン」でした。

ところが最近、自分の1日を振り返ると違和感があります。

Figmaを触っている時間より、文章を書いている時間の方が長いのです。


「デザインの価値が下がった」のではない

先に言っておきたいのは、これは「Webデザイナーの仕事が無くなった」という話ではないということです。

AIで自動生成したLPは確かに増えました。テンプレートも進化しました。誰でもそれっぽいデザインが出せる時代になったのも事実です。けれど、現場でデザインをやっている側の体感は「価値が下がった」とは少し違います。

もっと正確に言うなら、こうです。

デザインの価値が下がったのではなく、デザイン以外の比重がいつの間にか増えていた。

絵を描く時間は減ったのに、なぜか1日は同じ長さで終わる。むしろ前より頭を使っている感覚すらある。「あれ、自分は何に時間を使っていたんだろう」と思って棚卸ししたら、答えはひとつでした。

文章を書く時間が、爆発的に増えていた。


1日の中身が、いつの間にか入れ替わっていた

体感をそのまま数字に落とすと、こんな感じです。あくまで自分の主観ですが、わりと正直なところだと思います。

やっていること

数年前

最近

デザイン作業(Figma / Photoshop)

約70%

約30%

文章を書く(指示書・記事・訴求)

約10%

約40%

AIとの壁打ち

0%

約20%

会議・調整・その他

約20%

約10%

面白いのは、デザインがゼロになったわけじゃないことです。今でもFigmaは開きます。ピクセル単位で詰める時間も、ちゃんとあります。ただ、その比重が以前の半分以下になった。

代わりに増えたのが、文章とAIとの対話です。この2つで、気づけば1日の6割を占めるようになっていました。


なぜ、文章を書く時間がここまで増えたのか

最初は不思議でした。デザイナーなのに、なぜこんなに文章を書いているのか。

でも、最近の自分が書いている"文章"を並べてみると、答えはすぐに見えました。

  • AIに渡すデザイン指示(プロンプト)

  • LPの構成案・ワイヤーの説明文

  • キャッチコピーやFV文言の候補出し

  • クライアントへの提案文・意図の説明

  • 記事コンテンツの原稿

  • 修正依頼の言語化(「ここをこうしたい」)

  • 運用報告・改善仮説のドキュメント

並べてわかったのは、どれも"言語化"の仕事だということです。Figmaで線を引く時間は減ったけれど、その手前と後ろで「なぜそうするのか」「次に何を直すのか」を言葉にする時間が、明らかに増えていました。

とくに大きかったのは、AIとの壁打ちです。AIは便利ですが、ふんわりとした指示には、ふんわりとした答えしか返してきません。きちんと働かせるためには、こちらが先に「何をしたいのか」を言葉に落としきる必要があります。これが想像以上に時間を食います。

AIに任せる前にやっていること:誰向けのLPか、どんな感情を動かしたいか、トーンはどうか、何を入れて何を削るか。以前は手を動かしながら考えていた部分を、AIに渡す前に"先に文章で固める"必要が出てきた。これが新しい仕事の重心になっている。


"作る"の前に、"決める"がきている

言い方を変えると、こういうことだと思います。

以前は、デザインしながら考えていました。Figmaの上で並べてみて、しっくり来なければ動かして、また並べる。手と頭が同時に動いていて、その中で答えが見えてくるタイプの仕事です。

今は、その順番が逆になりました。先に文章で決めて、それからAIに作らせて、出てきたものを判断する。「作りながら考える」から「決めてから作らせる」に、仕事の順番が変わったのです。

AI時代のWebデザイナーの働き方の変化を比較した図。左側は「作りながら考える」従来の制作フローで、Figmaにデザインを並べて確認・修正を繰り返しながら思考する様子を表現。右側は「決めてから作らせる」現在の制作フローで、ターゲットや訴求内容を文章で整理した後にAIへ指示し、生成結果を判断・修正する流れを表現している。思考の中心がデザイン作業から言語化へ移ったことを示す比較図。

この順番の変化が、文章量を増やしている本体だと思っています。

AIに任せられる範囲が広がるほど、こちら側で"先に言葉にしておくべきこと"が増える。手を動かす時間が浮いた分、その時間が言語化に流れ込んでいる、という構造です。


デザイナーの仕事は少しだけズレた

こうして自分の1日を振り返ると、Webデザイナーという職種そのものが、静かに輪郭を変えているのを感じます。

消えたわけではありません。絵を描けない人ができる仕事ではない、というのも変わりません。ただ、軸足がほんの少しだけズレた、という感覚があります。

右側(減っている仕事)は、Webデザイナーになったときに「これがデザインだ」と思って覚えた領域です。それが、AIのおかげで一気に軽くなりました。

左側(増えている仕事)は、もともと「デザイナーの仕事」とは思っていなかった領域です。けれど今、ここに体重がかかってきています。


文章を書ける人は、AI時代に強い

最近、社内外のデザイナーと話していてもよく出るのが、「AIをうまく使える人とそうでない人の差」の話です。

これは技術力の差というより、ほぼ「言語化のうまさ」の差だと思っています。同じAIツールを使っていても、指示の粒度・順序・優先順位の伝え方ひとつで、出てくるものの質はまったく違う。これは絵を描くスキルとはまた別の筋肉です。

そう考えると、これからのWebデザイナーに効いてくるのは、こういう力かもしれません。

AI時代にWebデザイナーに求められる能力をまとめた図。意図を言葉にする力、抽象と具体を切り替える粒度を選ぶ力、不要な要素を削る判断力、違和感を言語化する力の4つをカード形式で整理している。これらはAIへの指示やデザイン改善、クライアント提案の品質向上に関わる重要なスキルとして紹介されている。

絵を描く力は土台として残ります。ただ、その上に「言葉で考える力」を乗せられるかどうかで、AIに任せられる範囲が大きく変わる、という実感があります。


まとめ:デザイナーだけど、文章を書いている

AIがデザインを奪ったとは思いません。

ただ、AIによって制作スピードが上がった結果、考える時間と言語化する時間が増えました。

最近の私は、Webデザイナーでありながら、デザインより文章を書いています。

そしてそれは、意外と嫌いではありません。

絵を描いて完結する仕事から、考えて・言葉にして・AIに渡して・判断する仕事に、少しずつ重心が動いている。これは"デザイナーらしさ"が消えていく話ではなく、デザイナーが扱える領域が広がっていく話だと、最近は思っています。

Figmaを開いている時間が短くなっても、デザインしている感覚はむしろ濃くなりました。手で描いていたものを、言葉で描くようになっただけ。たぶんAI時代のデザインって、こういう輪郭になっていくんだろうな、と日々感じています。

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